ネタバレ考

攻略サイトなどで発売直後にいきなりラストのネタバレがされると
激怒する人もいるが、そもそも不特定多数の集まるサイトでは
知りたい情報と知りたくない情報がいっしょくたになっているので
そんなところに足を運ぶ時点で、ゲームを面白く遊ぶことを
放棄しているように思える。
本当にゲームを面白く遊びたいのなら、あらかじめゲーム仲間を
確保しておいて、その間だけで情報交換をするに留めるのが吉。
旧き良き時代はそうやって面白いゲームに出会えたと思う。
今でも同じくらい、いやもっと面白いゲームがあるはずだが
ダメにしてしまう遊び方のせいで、結果クソゲー扱いになる。
どんなに素晴らしい素材を用意しても、料理する人が下手くそだと
せっかくの素材が…どころか、舌がおかしくなるように。
そういうTV番組もあったような。


たとえ少人数だけの情報交換でも、すぐにネタバレをする人がいると
それはネットワーク上の情報共有と同じになってしまう。
インターネットが一般化していなかった時代では、そういう人は
局所的に存在するだけだったので、ネタバレに遭遇することも稀で
最後まで試行錯誤しながらゲームを遊べた人が多かった。
しかしインターネット時代に突入してからは、ネタバレをする人に
遭遇する可能性が圧倒的に増えた。
インターネットというひとつのネタバレ人格が存在すると言ってもいい。
そんな中で誘惑に負けずにゲームを遊ぶことのなんと難しいことか。


そもそもゲームとは、広義でリスク&リターンの応酬のはず。
そこからリスクを除くと、単なるリターンの垂れ流しであり
本質が失われると同時に面白味も失われる。
ストーリーの優れたゲームは、最初からリターン部分に面白味が
凝縮されているので、却って足を引っ張っているリスク部分を
除いてしまった方が良くなるケースが多いと思う。
では、ストーリーがあってないようなゲームはどうなるか?
正確にはリスク&リターンによるカタルシスを中心に調整された
ゲームのことだが、リスクを除いてしまうとカタルシス
失われるため、ゲームであってゲームでなくなる。
得られるものといえば時間からの解放感で、消費した時間を
リスクと考えれば一応リスク&リターンの関係が見えるが
それだけならまだ他にもっと有効な時間の使い方があるように思う。




ネットワークゲームは新しい風。
ストーリーが極力排除され、育成部分の面白さが抽出されている。
サービス開始直後は、どういう育て方がいいのか誰も分からないので
育てる作業が苦にならないが、段々とサンプルが集まり研究が
進むと、最適な育て方が見えてくる。
そうなってくると、育てる作業よりもどう育てていこうかと考える
過程の方が面白く感じてしまうため、育てる方針が決まってしまうと
単調作業だけが残り、面白くなくなってしまう。
これはつまり、試行錯誤するリスク部分が失われた形。


逆に、試行錯誤を半永久的に続けさせることができれば…
月単位で、ゲームバランスを大幅に変えたら面白いんじゃないか?
露骨に変えるのはいやらしいので、たとえば世界観の設定部分で
「世界を治める神々のパワーバランスが月ごとに変わり、その影響で
プレイヤーやモンスターの能力値に様々な変化が現れます」とか。
周期性を持たせると解析されれば終わりなので、そこにランダム性も
加えると極悪。
ただ、ゲームバランスの調整が相当困難になるので実現は不可能に近いな。